風水家相コラム「鬼門」①
「あなたのお客様は風水や家相を気にされますか?」
私は、初めてお会いする工務店の方や住宅メーカーの営業の方には必ずこんな質問をします。
「たくさんではありませんが,やはりそういうお客様もいらっしゃいますね。」
だいたいそんな返事が返ってきます。
ある設計士の方はこう言われました。
「お恥ずかしい話ですが、家相の事は正直全く分かりません。ただ、お客様が気にされる場合は、ネット色々なサイトを見たり調べたりして、何とか鬼門にトイレだけは設計しないようにしています。」と・・・。
ある調査では、家を建てる人の6割以上の人が、風水や家相を気にしているというデーターが出ていました。
そんな中でも、気になる度ナンバー1は、やはり「鬼門」ではないでしょうか?
この鬼門って、家を作る側にとっても本当に鬼門的な存在なんですよね。
皆さんは、今から30年ほど前にこんな裁判があったことをご存じでしょうか?
「建築業者Xは、昭和57年にYから住宅新築工事を請け負い、これを完成して引き渡したが、Yは、Xの磁石の狂いから鬼門の方角に便所を造られたと主張し、支払いを拒んだ。
これに対して、裁判所は、我国の家屋の建築においては、習俗的な嫌忌として鬼門の問題があり、次第にその意識は稀薄になっているものの、未だ心理的な圧迫感と、建築関係業者の避止すべきものとの認識があるから、便所が鬼門の方角にあることは、特段の事情のない限り、目的物の暇庇に該当するとした上で、Yの精神上の損害を20万円と認定し、Yに対し、137万円の支払いを命じた。」(不動産取引と紛争事例より抜粋)
この裁判があったのは昭和57年ですが、その後10年ほど後に日本での風水ブームが巻き起こりました。
テレビの企画で出てきたドクター○○さんが火付け役となって、お遊び的な印象を与えた面もありましたが、
それでも若い世代にまで風水が深く浸透した功績は大きいものでした。
私の父は、40年以上前からこの業界に携わってきたわけですが、昔に比べると風水や家相を気にする人の年齢がずいぶんと若くなっていると話します。
また、親に言われて来たとか、親戚がうるさいので、といった理由で背中を押されて相談に来ると言った方はほとんど無く、ご自身で下調べをして沢山の質問を抱えて来られる方が増えました。
となると、裁判沙汰にまではならなくてもお客様の期待にこたえられない業者さんの生き残りは厳しいかもしれませんね。
鬼門②につづく・・・